続けてきたからこそできたのも part3
前回の続きからです。自家製の天然酵母を開発するわけですが、最初は失敗の繰り返しだったと聞いています。
まず、自家製の天然酵母を作ろうということ自体が、失敗を繰り返す可能性は大いにあるということです。それを覚悟の上、根気強く開発を進めた当時のスタッフさんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
なぜなら、この酵母も今のタマヤパンを語るうえで重要なものだからです。
どれも重要で順位をつけるわけではないですが、僕が思うには先代が残してくれた1番の宝物だと感じています。
その当時の話を聞くと、やっと酵母が完成したと思いパンを作ってみると膨らまない、
酵母自体の力が弱く使えない。そして、場所を移動すると発酵力が弱くなったりと失敗の連続だったようです。
僕が聞いているのはほんのわずかなことだと思いますが、当時は本当に大変だったようです。
今でも、季節やお米の年度が変わったり何か原料に変化があるときは気を使います。
これも完成した要因はというと、ずばり、出来るまであきらめずに続けてきたからです。
普通はこれだけ手間がかかり、しかもできるかもわからないものを開発し続けることはしないと思いますが、先代社長はなぜか?続けてきていました。
なぜ? これは以前にも書きましたが、2つの強い想いからです。
日本独自のパンの食文化を作りたいということと、おいしいパンをお届けしたい。これです。
この想いが形となって、30年近く経った、今なお作り続けています。
僕も絶やすことなくこの自家製の天然酵母を受け継いで次世代に向けて繋いでいきます。
そして、新しい酵母づくりにもチャレンジし、次世代には、もう1つくらいは自家製酵母を残していきたいです。
実はもう新しい酵母の開発は進めています。まだ完成していませんが…
どういう物かは?また完成した時にお伝えします。
そう題名の『続けてきたからこそできたもの』は、国産小麦でのパンづくりと自家製酵母のことです。