タマヤパンのパンは量産をしていますが、ほとんどが手づくりです。 かつて私たちも機械化を試みたことがありましたが、うまくはいきませんでした。 機械化をするためには添加物を入れる必要があることがわかったのです。 時間はかかっても、厳しい目と愛情を持った職人たちの手でつくり上げる。 効率ではなくおいしさを最優先に、手間も時間もおしまない製法を守っています。
01 素材
02 仕込み
03 一次発酵
04 成形
05 二次発酵
06 焼成
07 加工
08 包装・仕分け
09 発送
パンづくりはまず、小麦の品種選びから始まります。ひと言に国産小麦といってもさまざまな品種や産地があり、特色が異なるのです。また、副材料もできる限り国産で。例えば北海道産小麦には北海道の甜菜糖を使用したり、あんパンの餡に使う小豆は北海道産を使用したりと、商品ごとに適正な素材選びをしています。
素材を厳密に計量し、ミキシング(生地づくり)を行います。タマヤパンではパンの種類やつくる量に合わせ、ミキサーを使い分けています。ミキシングは単純作業ではなく、その日の室温や湿度などにも気を配りながら、捏ね具合を見極めなくてはなりません。熟練の職人によって、安定した生地づくりを行います。
ミキサーを止めたところから発酵が始まります。酵母が生成する炭酸ガスによって生地が発酵するのです。この発酵を促すため、生地を休ませます。膨らむのを待つのはもちろん、風味を育む大切な時間。2〜2.5倍まで膨らむ様は、まるで生きているかのよう。だからこそ刻一刻と変化するパンに真剣に向き合うのです。
必要な分量に分割し、まずは断面を保護するように手作業で丸めます。その後、パンの生地を休ませる「ベンチタイム」を挟んだ後、職人たちの手によって手早く成形していきます。簡単そうにも思えますが、発酵した生地で均一に形づくるのは難しく、特にロールパンなどの棒状に伸ばす作業には熟練の技を要します。
「ホイロ」と呼ばれる高温多湿の環境をつくる発酵装置にパンを入れ、二次発酵を行います。発酵が充分でなければ膨らまず、過発酵してしまえばおいしく焼き上がりません。そのため、角食パンなどはケースの蓋を開け、発酵の状態をひとつずつ確認。職人による見極めがものをいう、焼き上げ前の重要な工程です。
焼き上がりにツヤを出すため、釜入れ前には生地の表面に一つひとつ卵を塗っていきます。生地を潰さず、塗りムラが出ないよう、繊細さが求められる作業。塗り上がったらいよいよ釜入れです。商品ごとに適した釜を使い分けて焼き上げていきます。このときも温度や時間、焼き上がりの状態につねに気を配っています。
焼き上げ後、二次加工が必要な菓子パンなどの商品はそれぞれカットし、クリームなどを絞っていきます。全体ではかなりの量になりますが、これらの工程も一つひとつ手作業で丁寧に行っています。
焼き上がったパンを包装します。ある程度は機械化していますが、大きさや形により機械で対応できない商品については今でも手作業で包装しています。機械に合わせて商品設計を妥協するのではなく、一番おいしく召し上がっていただくための形を優先。一つひとつの商品を確認しながら仕分けまで丁寧に行います。
物流会社のご協力のもと、全国各地に発送されていきます。お客様の食卓にのぼるのは、基本的に翌日以降。このときに一番おいしい状態でパンが届けられるよう、でき上がりから翌日以降の味と食感を大切にしています。お届けするのは、冷めてからもきちんとおいしいという条件をクリアした、タマヤパンの自信作です。