田山さんとの約束③ 突然の別れと新たなご縁
あんバターの開発中の話からの続き
(前回はこちら→https://maibakukan.co.jp/tamaya-blog/田山さんとの約束② 限定あんぱん&餡バター編/)
コロナが落ち着いた時に、いつもの枝豆の時期に伺った時に
がっちりした田山さんが、痩せていました。
その時は、『コロナで体力落ちてしまって、最近あかんわー』
って言っていたことを覚えています。
暑いのが続いているし、畑に出ても、長く作業するのが大変ともいっていました。
その時は、いつもと変わりなく色々とお話をして、
最後にあんバターの話をして『また来ます』と言って帰りました。
そして、いつものように年末に黒豆が出来、小豆も送っていただきました。
早く、あんバターを完成させないとな~と思っていた翌年2023年2月に、
東京出張時に携帯に連絡が入りました。
田山さんの息子さんからでした。
『いつもお世話になっています。田山の息子です。』と
『ちょっと父が病気で入院したので代わりに連絡しました。』
『実は、癌が見つかってステージ4なんです。』
『えっ!・・・』 本当に言葉が出ませんでした。
『大丈夫なんですか?』と当たり前のことしか言えず、
『入院して抗がん剤治療をするのでそれでなんとか大丈夫ということになるかと』
『わかりました。また連絡します』
この時は、正直、凹みましたがでも田山さんのことやし、
ステージ4の人でも助かっている人いてるしという感覚でした。
でも、何か嫌な胸騒ぎがありました。
昨年の痩せていた姿が思い出されて・・・
それからちょうど会社の新年度にもなり慌ただしく過ごして、
お見舞いに行こうと思いながら行けずに、夏を迎えました。
一度、息子さんに連絡してみようと思い、かけたところ
『一旦、退院して今は家でいますが、転移が見つかったので、
また再入院で抗がん剤治療を行う予定です』ということでした。
大丈夫かな?と心配していた時に
田山さんから直接連絡がありました。
『息子に連絡があったと聞いてかけました。』
声はホントに元気そうな感じで、
『まぁ田中さん、病気は厄介やけど抗がん剤治療したら大丈夫やから、
また豆も植えてるから秋の枝豆の時に来てください。と
電話口で、あのいつもの田山さんの笑顔が想像できる話し声でした。
その時は、まさかこの会話が最後になるとは思っていませんでした・・・。
そして、10月になり、ちょうど山清さん(あんこ屋さん)に行った帰りに
豆のことを思い出して、田山さんのところに行かなあかんな~と
思いながら阪神高速を車で走っていた時に縦に伸びる、綺麗な虹を見ました。
曇り空の中に、ポッカリと穴が空いていてそこが光っていて、
そこにす~っと虹が入っていくような見たことのない不思議な光景でした。
そこだけなぜか、すごく幻想的な景色で何か天に登っていくような感じでした。
この時は、会社の中がバタ付いていて、これから良くなる前兆かな?と
思いながら帰りました。
夕方、北海道からお客さんが来ていて会社に戻りその方たちと話をして、
終わった時に息子さんから電話がなっていました。
変な胸騒ぎを感じ、嫌な予感がしました。
『父が、今日、亡くなりました。。。。』
言葉が出る前に、先に涙が溢れ出てきました。
そんな、亡くなってすぐの大変な時に僕に電話してくれたことの感謝をお伝えし
お悔やみを申し上げました。
会社の部屋で、号泣しました。
今思うと、悲しい気持ちはもちろん、悔しい気持ちも強かったのだと思いますが
ホント泣きました。
家に帰って、家族にも伝えた時も、涙が止まりませんでした。
子供達が小さい時に、豆の収穫に遊びに行かせて頂いたことなど、
思い出話をしながら本当に悲しくて、悔しくて、涙が止まりませんでした。
今でも、たまに思い出すと、涙が溢れます。。。
この記事を書いている最中も何度も涙しました。
そして、息子さんとのご縁につながります。
次が最終話です。
田山農園さんInstagram
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